重点施策要望書

1.次世代支援育成・少子化対策

  • 平成31年4月1日現在、国の調査要領に基づく待機児童は6年連続でゼロを継続したものの、利用保留児童は増加している。今後の待機児童対策においては、引き続き保育ニーズを的確に把握し、効果的かつ着実な保育所等の整備に努めること。また、保育所等の整備に伴って必要となる保育士の確保とともに、質の向上に努めること。
  • 保育園の潜在ニーズを減らすため、子育て家庭の支援の充実を図り、『名古屋こどもバウチャー』制度等、より積極的に家庭での子育てを選択できる事業を実施するなど、バランスのとれた子育て支援の環境を構築すること。
  • 子育て家庭の負担軽減を図り、子どもの健康を守るため、子ども医療費助成制度における通院助成にかかる対象年齢を18歳まで拡大すること。
  • 特定不妊治療にかかる助成については、少子化の進行に歯止めをかけ、出生率の向上を図るため、もう一段の取り組みの検討を進めること。
  • 放課後子ども施策の推進にあたっては、本市の特色である留守家庭児童健全育成事業・トワイライトスクール・トワイライトルームを総合的に展開することにより、子どもたちが安心・安全に豊かで健やかな放課後を過ごすことができるよう、「小学校年齢期における放課後施策の今後の方向性」を踏まえ、共働き家庭等のニーズを捉え、活動内容や運営体制の拡充を図ること。
  • 放課後児童健全育成事業(学童保育)については、社会的ニーズの高まりに鑑み、施設の充実や用地確保、保護者負担の軽減などを行い、放課後児童健全育成事業(学童保育)を必要とする子どもが入所することができ、その子どもたちが安心して生活できる環境づくりを、公的責任においてしっかりと支援すること。
  • 児童虐待防止対策の強化を図る児童福祉法等の改正趣旨を踏まえて、児童虐待の予防および早期発見のため、区役所、民生・児童委員、学校、保育所、病院、警察関係機関および地域諸団体との連携強化を図ること。また、該当家庭への積極的介入を図り、被虐待児童の保護および支援に万全を期すとともに、児童虐待防止に向けた事業の推進に努めること。さらには、急増する児童虐待相談をはじめとする児童相談に迅速・的確に対応できるよう児童相談所の人員配置などの体制強化に努めること。
  • 貧困の世代間連鎖の解消を図るため、名古屋市子どもの未来を応援するプロジェクトチームで重層的な取り組みが必要な子ども貧困対策を市横断的かつ専門に検証・検討し、対策を強力かつ効果的に進めること。

2.教育改革の推進

  • 小学校における部活動の見直しについては、これまでの成果やモデル事業の検証等を十分に踏まえ、参加を希望するすべての子どもたちにとってより良い活動になるよう検討を進め、令和3年度の新たな運動・文化活動の本格実施に向け、全力を尽くすこと。
  • 小中学校における学級編成基準を全学年30人とするなど教職員定数全体を充実させるとともに、多様な教育課題、教員の多忙化等に対応するための教員配置を行うなど、学校現場の実情に応じた人員体制とすることで、本市の教育施策の充実を図ること。
  • すべての児童生徒に対し、一人ひとりの進度や能力、関心に応じた「個別最適化された学び」の実現に向け、これまでの取り組みを十分に踏まえ、組織、人員や予算の確保に努めること。
  • 教育の情報化の推進を図るため、ICT環境の整備・充実を図ること。
  • 増え続ける不登校児童・生徒への対応として、関係局と連携し、子ども適応相談センターを含めた総合的な相談施設を早期に新設すること。
  • 私立高校の授業料補助については、保護者負担の公私間の是正を図り、もって教育の機会均等の原則を確保するよう、現行制度の維持に努めるとともに、補助額の増額を行うこと。
  • 児童生徒の学習権を保障し、保護者負担を軽減するため、標準運営費など学校配当予算を増額すること。また、光熱水費については、全小中学校普通教室に空調設備が整備されたことを踏まえ、固定経費化すること。

3.都市魅力の向上

  • アジア最大のスポーツの祭典であるアジア競技大会については、令和元年5月に組織委員会が設立されて大会準備が加速していくことから、市民のスポーツへの関心がより高まり、誰もがスポーツを身近に感じられるよう、大会開催に向けた機運醸成に努めるなど、魅力ある大会を目指して取り組むこと。更には、愛知県及び関係諸団体と連携し、オリンピックに次ぐ大規模な国際スポーツ大会を契機に、アジアとの交流の促進や名古屋の魅力発信につなげるとともに、選手村については、将来のまちづくりを見据えた検討を行うこと。また、選手村の整備が予定されている港北エリアのまちづくりについては、当エリアのイメージを一新させるような名古屋競馬場の土地利用転換を図るとともに、SRT等の先進技術の導入も視野に回遊性向上策の検討に努めること。
  • 令和8年のアジアパラ競技大会の開催の検討にあたっては、愛知県と十分に連携して、競技施設等の調査やアジアパラリンピック委員会等の関係諸団体との協議・調整を行うこと。
  • 令和9年のリニア中央新幹線開業に向けて、首都圏のバックアップ機能など、新たな役割を担える強い大都市を目指した取り組みを進めるとともに、災害に強い国づくりに向けた交通ネットワークの形成に努めること。
  • リニア中央新幹線開業により形成されるスーパー・メガリージョンの中心都市として、圏域全体を見据えた市政運営に努めること。また、名古屋駅を名古屋大都市圏の玄関口にふさわしい駅とするとともに、名駅・栄・金山・大須などを軸に、都心のまちづくりに努めること。
  • 名古屋駅周辺地域については、その魅力をさらに高めるよう取り組むとともに、地域の回遊性を高める取り組みについて、笹島交差点以南の地下公共空間の整備を含めて計画が決してぶれることのないよう、着実に進めていくこと。
  • ランス市との姉妹提携をきっかけとして、双方の都市や市民にとって実益のある交流を行うこと。そのために、ランス美術館と名古屋市美術館の二つの美術館がこれまで以上に積極的な事業展開を図り、さらに、観光の活性化や歴史的建造物や絵画等の文化財の保存活用策を進めるよう取り組んでいくこと。
  • 天守閣の木造復元については、現状変更許可の取得に向けて、文化庁からの技術的な助言や指導、有識者からの意見に対して丁寧に対応を行いながら着実に進めること。あわせて、事業目的を確実に達成するために、適切な工期を確保しながら、総事業費505億円を厳守し、進捗状況等については市民や議会に情報提供するなど、理解を得ながら丁寧に進める事。
  • 国際展示場の整備については、産業の振興や名古屋経済の発展に資するよう、戦略性を持った整備に努めること。
  • 堀川の再生、魅力づくりのため、水質浄化の取り組みをはじめ、市民との連携や協働による観光振興などを進めるとともに、水辺環境に配慮した河川整備を推進し、まちづくりの基盤となる取り組みを進めること。
  • 水辺を活用した名古屋の魅力向上を図る水上交通網の確立にあたっては、民間事業者の意向を把握しながら、公民連携した形での実現に向け取り組むこと。
  • 道路や公園について、市民が広く、美しく、安全に利用できるように、道路の補修や遊具の更新、除草・清掃、街路樹・公園樹の剪定等を適切に実施し、維持・管理の充実を図ること。また、街路樹については管理コストを勘案し、剪定頻度の少ない樹種への更新などを図ること。
  • 名古屋高速道路の料金については、名古屋高速道路の利用者増が市内一般道路の渋滞緩和にも資することから、対距離制とし、公平な利用者負担となるよう実現に取り組むこと。

4.安心できる社会福祉の実現

  • 敬老パスは65歳からの交付を堅持すること。また、私鉄利用など利用拡大に向けた財源の確保と技術的な課題の整理を着実に実施し、市民にとってより利便性の高い制度とすること。
  • すべてのひとにやさしい街づくりのため、ユニバーサルデザインタクシーの普及促進に努めること。また、タクシーの公共交通機関としての位置づけを明確化し、地域公共交通としての機能を発揮できるようにすること。
  • 市立病院が市立大学の大学病院となれば、安定的・継続的な医師の確保が期待でき、また、同じ病院においてより一層高度な医療を幅広く受けることができると見込まれることから、市立病院の経営形態のあり方として市立病院の大学病院化を検討すること。
  • 市立大学病院が市民の命を守るための役割を十分に果たせるよう、今年度策定する救急及び災害医療の機能強化に向けた基本計画に基づき、国内外トップレベルの救命救急センター及び災害拠点病院を目指して早急に施設整備に取り組むこと。
  • 陽子線治療センターについては、今後も安定的な運営ができるよう名古屋市内外へのより積極的な広報に努めるとともに、治療を必要とする方がより広範囲に安心して治療を受けることができる仕組みを構築すること。また、国に対してこれまでの診療報酬改定で保険診療となっていない適応疾病についても、健康保険適用等を強く要望・提言すること。
  • バリアフリー法において、1日あたりの平均的な利用者数が3,000人以上の鉄道駅舎については、原則令和2年度までに段差の解消や視覚障害者の転落を防止するための設備の整備等を実施することとされていることから、民間鉄道事業者に対し、立体交差事業の有無にかかわらず、バリアフリー化の工事を実施するよう働きかけを行うこと。
  • 住民ニーズに即した公共交通網の充実を図る方策の一つとして、バス路線について営業係数等の枠組みに捉われず実情にあった路線への見直し、転回場での折り返し時間等、定時運行を前提とした運転時間の見直しを図ること。また、地域巡回バスについては、地域ニーズにあわせた利便性の高い路線への見直しを行うとともに、各区別に早朝・夕刻に本数を増発するよう取り組むために必要な財源措置を講じること。
  • 卸売市場法の改正など市場を取り巻く環境が変化する中で、本市中央卸売市場の在り方検討を進めるにあたっては、市場関係事業者の意見も十分に踏まえて市場の将来像や展望を検討し、魅力があり、選ばれる市場づくりを進めること。また、基幹設備等必要な整備・改修等を着実に進めること。
  • 骨髄等の移植をより一層推進するため、正しい知識の普及に努めるとともに、ドナー及び事業者に対する助成制度について周知・広報を徹底すること。また、ドナーが骨髄を提供しやすい環境を整えるため、ドナー休暇制度の導入について企業・団体に働きかけるなど、本市が全国的に誇りうる先進的な取り組みを進めること。

5.大規模地震・風水害対策

  • 南海トラフ巨大地震や頻発する豪雨災害等の発生が危惧される中、市民の生命や生活を守るため、「名古屋市災害対策実施計画」に基づき総合的・計画的に対策を進めるとともに、積極的な予算確保に努め、誰もが安心して暮らせるまちをめざすこと。
  • 災害時に避難所として住民の生活拠点となる小中学校の体育館に空調設備を整備すること。
  • 平成28年度熊本地震、大阪府北部地震及び平成30年7月豪雨における課題の検証結果や職員派遣から得られた経験等を本市防災施策に反映すること。また、大規模災害時において被災者に寄り添った支援ができるよう、民間事業者や地域住民等との連携を深め、地域防災力のさらなる向上に努めること。
  • 市民に身近な避難所への対策として、食糧をはじめとする備蓄品の充実を図るとともに、津波浸水が想定される区域においては施設管理者等と協力して早急に避難所ごとの機能確保や通信機能維持策を実施するなど、きめ細かな対策を徹底すること。
  • 南海トラフ巨大地震の発生に伴う火災や建物の倒壊事故に備え、消防体制の強化に努めるとともに、発災時に急増する救急需要に対応するための救急隊の増隊など、救急体制の更なる強化に努めること。
  • 重要なライフラインである道路、橋梁、河川、上下水道施設などが、発災時にも安全に使用できるよう、補強、改修等の対策を速やかに行うこと

6.行財政改革の推進

  • 人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを迎える2040年頃を見据え、新たな地方行政体制の一つの姿として、大都市の規模と能力に見合う強い権限と財源を兼ね備え、地方が行うべき事務を一元的に担う『特別自治市』の実現に向けて、本市がリーダーシップを発揮し、指定都市と連携協力して積極的に取り組むこと。
  • 区長への組織定員・予算権限の移譲を行い、区長権限を強化すること。また、保健と福祉の連携強化や、土木事務所を区役所の組織に位置づけることなどにより、区役所が地域課題解決の拠点としての役割を果たし、市民に最も身近な総合行政機関として、責任ある区役所・支所事業を推進すること。
  • 市民サービスの低下を招かないよう、また、名古屋市としての公的役割をしっかり果たせるような障害者の任用及び計画的な人員配置を進めるとともに、事業のシフトを大胆に進めること。また事業のシフトを進めるにあたっては、組織内の仕事の切り分けを社会的公正の観点から行えるような基盤づくりを行い、官民協力を進めること。
  • 厳しい財政状況に鑑み、将来への投資を明確にできるようにメリハリをつけた予算配分の実施に努めること。また、配分型予算が一律カットの手法になる傾向があるので、配分型予算編成の効果と課題の検証を行うとともに、臨時・政策経費の仕組みが十分に機能しているかどうかの検証を進めること。
  • 入札に関しては総合評価落札方式について、障害者雇用等に加え政策的評価を増やすこと。
  • 公契約実施条例制定に向けて検討を進めること。
  • 人事委員会勧告は、労働基本権を制約されている職員の適正な処遇を確保することを目的とした地方公務員法上の制度である。この制度の重みを十分に認識し、人事委員会勧告を遵守すること。
  • 令和2年4月1日から施行される地方公務員法の改正にあたっては、臨時・非常勤職員制度の全面的な改正となり、本市で働く臨時・非常勤職員に対して大きな影響を与えることとなるため、本市の将来像も見据えつつ、適切な制度となるよう検討を進めること。

7.SDGsの推進

  • 「SDGs未来都市」として、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して中長期を見通した持続可能な開発を進めることができるよう、全庁横断的にSDGsの達成に向けて取組むこと。また、市民・事業者が参加できる場の提供のみならず、SDGs活動そのものを協働で企画するような連携体制を構築できるよう、産学官にまたがる多様な主体との連携に向けて積極的に取組むこと。
  • 平成26年11月の「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」を開催した成果を生かし、より一層のESDの普及促進に努め、SDGsの推進につなげること。

8.スポーツ振興

  • 令和2年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは多くの市民がスポーツの素晴らしさを実感し、「みる」「する」スポーツへの関心の高まりが期待される。また、多くのボランティアが「ささえる」東京オリンピック・パラリンピックは、本市においても「ささえる」スポーツの機運を高める絶好の機会となることから、こうした「みる」「する」「ささえる」スポーツへの関心、機運の高まりを令和8年開催予定のアジア競技大会へつなげられるよう、市民が身近に参加・協力できるスポーツの機会を創出すること。
  • 東京オリンピック・パラリンピックおよびアジア競技大会パラ競技大会を見据え、障害者スポーツの魅力を広め、市内スポーツ施設における障害者の受け入れをさらに進めるため、障害者が身近な地域で気軽にスポーツに親しむことができる環境をソフト面・ハード面の両面から整備し、市民の障害者スポーツへの理解を促進すること。
  • アジア競技大会の開催に向け、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけとして高まった機運を絶好の機会ととらえ、名古屋市からトップアスリートが生まれるよう、各競技団体の実施するジュニアアスリートの育成事業への支援を拡充すること。
  • アジア競技大会の開催を控える中、スポーツ施設のストック適正化ガイドラインに基づき保有資産量の適正化に向けた計画を策定するとともに、ネーミングライツや広告収入も活用し、スポーツ施設の計画的な改修を行い、幅広い層の市民が気軽に、安心・安全・快適に利用できるよう、スポーツ環境の整備を進めること。

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