予算要望

はじめに

世界中で猛威をふるい続ける新型コロナウイルス感染症との闘いはすでに2年半を越え、今なお先が見えない状況が続いている。人々の生活は激変し、社会経済情勢にも深刻な影響を与えている。

また、2月にはロシアのウクライナへの侵攻が始まった。力による一方的な現状変更は国際秩序全体の根幹を揺るがす行為であることは言うまでもない。深刻な人道危機を招いているとともに、わが国だけでなく世界経済の成長にも大きな影響を与えている。

本市においても新型コロナウイルスの感染再拡大に加え、原油やエネルギー・原材料の高騰、さらには円安の急進も加わり、コロナ禍からの経済社会活動の回復を大きく阻害され、市民生活や経済活動に重大な影響が及びかねない状況である。

そして、気候変動も市民の暮らしに大きな影響を与えている。本市において6月に観測史上初となる4日連続の猛暑日を記録するなど、気象庁が災害との認識を示した猛暑により人々の命が危険にさらされる事態が起こっている。また、1時間に100ミリを超えるような豪雨も決して珍しい話ではなくなり、自然災害においてはこれまでの常識が通用しないどころか、「想定外の」、「観測史上初めての」といったキーワードは通用しないことがむしろ常識となってきている。行政の役割として、戦争などは言うまでもなく、感染症や大規模地震・風水害等から市民の命を守ることが何よりも重要である。名古屋市として市民一人ひとりの人権を尊重し、誰一人取り残さない、経済・社会・環境が調和した施策を積極的に提案していく必要がある。

私たち名古屋民主市会議員団は「安心・安全・豊かさ」を将来世代に引き継ぐために、次世代育成支援・教育改革の推進など「チルドレンファースト」の環境づくりを強力に推進するとともに、加速する少子化の流れの抑制に向けて、希望する誰もが安心して子どもを生み育てられるように、妊娠前から子育て期にわたる切れ目のない支援に一層注力していく。そして、かつて経験したことのないこの危機的な状況から市民の命と暮らしを守り、地域経済を復活させ、未来の子ども達に豊かな「名古屋」を残していくため、過去の常識や価値観に縛られない大胆な施策に積極的に挑戦する。

この「令和5年度予算に対する要望書」は、私たちが地域での活動などを通じて私たちに寄せられた多くの市民の方の貴重な意見を集約し、議員としての調査・研究活動を行う中で取りまとめたものである。本要望書の趣旨を受け止め、より良い未来のために市政の推進がなされることを切望する。

令和4年9月


CONTENTS(目次)

重点施策要望書

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局別要望

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